イラスト/ピエール

自然ゆたかな大陸に、数多くの命が暮らすヴォロスは、かつて、竜(ドラゴン)たちに支配されていた世界です。その頃のヴォロスは、荒れ果てた荒涼とした天地だったといいます。そんな世界で長大な寿命と強靭な肉体、圧倒的な魔力と叡智を誇った竜族は、その後、同族間の戦争によって1匹残らず死に絶え、絶滅してしまいました。

それから幾星霜を経て、死してなお強い魔力を宿す竜の遺骸はヴォロスの大地に影響を与え続けました。その結果、現在のヴォロスができあがったと言われています。つまり、滅びた竜の骸の上に築かれた世界、それが今のヴォロスです。

この世界の最大の特徴は、今なお世界とその住人に影響を与え続ける竜たちの存在の残滓――「竜刻」の存在です。朽ち果てても大地に残留した竜の魔力が、土地に不思議な現象を引き起こしたり、動物や人間を変質させることさえあります。一方、土中より発掘される化石化した竜の骨や鱗などは、建造物の材質として、あるいは美術工芸品の素材として珍重されます。そしてそういった品々にも、もちろん「竜刻」としての魔力が宿ります。

ヴォロスは広大ですが、そこには幾多の種族が暮らし、同じ種族がまたいくつもの王国や部族に分かれています。かれらの趨勢を決するのは、どれだけ多くの、良質の「竜刻」を所有しているかです。「竜刻」から作られた魔法の武具が軍隊を精強にし、「竜刻」を豊富に産出する土地は争奪の対象になります。

はるか昔に滅び去ったはずの竜たちは、いまだに、この世界を支配し続けていると言えるのかもしれません。

■ヴォロスの住人
広大なヴォロスは、壱番世界の中世ヨーロッパを思わせる自然と文化を持っています。世界の大半は手つかずの自然で、その合間に抱かれるように町や村、王国が点在しています。それらの文明の担い手として、さまざまな種族が存在します。ヴォロスの知的生物はおおむね人間型ですが、その中には、壱番世界では物語の中にしかいないようなエルフやドワーフといった亜人たちや、トロールやケンタウロスといった異形の存在までもがいます。かれらは、古代には人間であったものが、竜刻の影響で姿を変えた結果だと言われています。

自然ゆたかなヴォロスでは、ありとあらゆる動植物も繁栄しており、それらの中には、やはり竜刻の魔力で変異した魔獣・幻獣の類もいます。そして、竜族の血を引く恐るべきその末裔・ドラグレットたちもその一種です。文明地域でも未開地でも、ヴォロスにおいては幾多の命がしのぎを削り、生存競争を演じている場です。

■ヴォロスで行う冒険
ヴォロスはまさに冒険に満ちた世界です。人間の生活圏を少し離れれば、危険な野獣や、人の立ち入りを拒む未開の地形が待ち受けており、驚異的な魔獣・幻獣、異形の種族たちのテリトリーも至るところにあるでしょう。

世界図書館は、ヴォロスの「竜刻」に関心を寄せており、その謎を解明すべく、ヴォロスに旅人を送り込みます。さまざまな種族が混在しているヴォロスでは、異世界から来た旅人もたやすく溶け込むことが可能です。旅人はヴォロスの冒険者や傭兵たちと同様に、現地で仕事を引き受けたり、未開地を探検したりします。

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螺旋特急ロストレイル

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