イラスト/晏嬰亮

世界は多層構造である――それが、知られざる<真理>です。パラレルワールド、異次元、並行世界……なんと呼んでも構いませんが、なにもかも様相がことなる幾多の世界が実は存在している――。その事実を<真理>と呼びます。

世界の数はいくつあるのか定かではありません。有限ではあるようですが、限りなく無限に近い有限でしょう。この階層はふたつの方向を持ちます。「上層方向」と「下層方向」です。起点となるあるひとつの世界を境に、より上層にある世界を「プラスの世界群」、より下層にある世界を「マイナスの世界群」と呼びます。プラスの世界群の多くは、光や秩序に恵まれ、慈愛が是とされる世界だとされ、マイナスの世界群は、闇と混沌、闘争に愛された世界だと言われています。

世界群は、ときおり、その位置を変えています。階層の場所が入れ替わっているのです。この階層の変化が起こるとき、世界内でもなにかが起こっているといいますが、詳しいことはわかっていません。一体何のために、階層の変化が起きるのかも謎です。ただ、確かなのは、プラス・マイナスの領域を越えた階層変化が起こることはきわめて稀で、もし起こってしまったらその世界内が滅びに瀕するほどの異変が起こるということだけです。

そしてプラス・マイナスの領域を分ける、ひとつの世界――、その世界だけは階層を動くことがありません。ゆえに起点とされるこの世界を「0世界(ゼロせかい)」と呼びます。

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